【作業用BGM】喪失ノ唄ノ旅ーA Journey to Find the Lost Songの歌詞と対訳

 

歌詞、日本語訳を記載します。
訳は逐語訳よりも意訳中心となっています。

厳密な意味よりもリズムや幻想的な雰囲気を重視しているため、ヴォカリーズ・造語・既存言語では意味を成さないセンテンス(ナンセンスパート)を含む曲も多いです。

01.絶えざる祈り(Taezaru inori)

Ignis omnia urit,
aqua cuncta haurit.
Sicut nihil unquam fuit,
ita iterum fiet.

火はすべてを焼き尽くし、
水はすべてを飲み込む。
かつて何もなかったように、
再びそうなるだろう。

Dominari stellis?
Fallacia vana.
Natura non vincitur.
Nulla manus eam tenet.

星々を支配することができるのか?
それは虚しい幻想だ。
自然は征服されない。
誰の手もそれを捉えることはできない。

Cinis sumus ante ventum,
umbrae sub sole cadente.
Superbia periit,
memoria evanuit.
Cinis… et ventus…

私たちは風の前の灰、
沈みゆく太陽の下の影。
誇りは滅び、
記憶は消え去った。
灰……そして風ばかり……。

Animalia clamant,
sed caelum non audit.
Terra patitur sine voce,
et mare obliviscitur.

生き物たちは叫ぶ、
しかし空は聞かない。
大地は声なく耐え、
海は忘れていく。

Potestas est somnium,
fragile sicut vitrum.
Universum ridet,
dum spes humana corruit.

力は夢にすぎず、
ガラスのように脆い。
宇宙が嘲笑い、
人の希望は崩れ落ちる。

Omnia fugiunt,
et nihil manet.
Saeclum post saeclum,
eadem ruina.

すべては逃れ去り、
何も残らない。
時代が過ぎても、
同じ崩壊が繰り返される。

Cinis sumus ante ventum,
umbrae sub sole cadente.
Finis est natura,
et nos… pulvis inter astra.

私たちは風の前の灰、
沈みゆく太陽の下の影。
終わりこそが自然、
そして私たちは……星々の間を漂う塵に。

【制作裏話】
すべてラテン語詞で、世界で起きている破壊行為のニュースを耳にして思い浮かんだフレーズに、何か印象的なイントロを付けたいと思って制作した曲です。

当初の曲名は「灰と風」でしたが、切実に祈るようなAIの歌声を受けて変更しました。
AIが予想以上の働きをしてくれた時は、こうして方向転換することがしばしばあります。

02.星が墜ちるのを見た(Hoshi ga ochiru no wo mita)

Whispers fall like ash on stone.
Empty skies, no stars to own.
Silence sings a requiem,
Of the world we used to know.

囁きが石の上に灰のように降り積もる。
空はからっぽで、星ひとつ抱えられない。
沈黙が鎮魂歌を歌う、
かつて知っていた世界のために。

Echoes of prayers,
Carried by wind.
Ghosts of our voices,
Calling the end.

祈りの残響は、
風に運ばれる。
僕らの声の亡霊が、
終わりを呼んでいる。

Eyes still dream of bluer seas,
Of days untouched by prophecy.
But dust has claimed the sacred halls,
And shadows dance along the walls.

瞳はまだ、より青い海を夢見る、
予言に触れられていない日々を。
でも塵が聖なる広間を覆い、
影は壁に沿って踊る。

Tears in the mirror,
Fading away.
One final heartbeat,
The world turns gray.

鏡の中の涙が
消えていく。
最後の鼓動に、
世界は灰色に染まる。

Is there a dawn beyond this night?
Will we be songs in winds of light?

この夜の先に夜明けはあるのだろうか?
僕らは光の風に乗る歌になるのだろうか?

【制作裏話】
「01.絶えざる祈り」とかなり近いコンセプトで、崩壊後の世界がテーマの曲です。
イントロの感じは同じくらい気に入っています。
サビは完全に造語で構成していて、「ラテン語+ファンタジー作品に出てきそうな架空言語」をイメージしています。

03.貴方はずっと此処にいる(Anata wa zutto koko ni iru)

Pulchritudo in tenebris latet.
美は闇の中に隠れている。

Timor et amor simul dansant.
恐れと愛が共に踊る。

Duo corda, unum fatum trahuntur.
二つの心は、一つの運命に引き寄せられる。

In vultu monstri, lumen micat.
怪物の顔に、光が瞬く。

※上記はラテン語。残りはほぼナンセンスパート・造語で構成。

【制作裏話】
当初のイメージは「美女と野獣」。
最終的に、造語主体の鎮魂歌のような響きになったので、イラストもそういう方向になりました。

04.返事は風の音(Henji wa kaze no oto)

Silence lingers in my chest,
Your shadow now has flown.
I call into the endless night,
But nothing answers… only air.

胸の中には静けさが居残り、
あなたの影は、もう飛び去ってしまった。
果てしない夜に呼びかけても、
何も答えない……ただ空気があるばかり。

Your love fled like the morning light,
Empty hands, a colder day.
Memories burn in slow decay,
And hope is gone, too far away.

あなたの愛は、朝の光のように去った。
空っぽの手、いっそう冷たい一日。
思い出はゆっくりと朽ちながら燃え、
希望はもう、遠く手の届かないところへ。

I cry to the sky,
Then fall quiet again.
Calling your name,
But only the wind replies.

空に向かって泣き叫び、
そして、また黙り込む。
あなたの名を呼んでも、
返事は風の音だけ。

Wind… only the wind.
風……ただ、風だけ。

The days without you are snow without glow.
Your footsteps fade like dreams.
My tears become a silent stream,
But you no longer hear me.

あなたのいない日々は、輝きを失った雪。
あなたの足音は夢のように薄れていく。
涙は音もない流れになるけれど、
もう、あなたには私の声が届かない。

Do you hear me beyond the veil?
Is your shadow still near?

隔たりの向こうで、私の声が聞こえますか?
あなたの影は、まだそばにありますか?

05.めざめの刻まで(Mezame no toki made)

※すべてナンセンスパート・造語で構成

06.炎滅の魔女(Enmetsu no majo)

Mundus plorat — lacrimis sine fine.
Solis lumen frangitur in noctem.
Infantes dormiunt in fame,
Et spes iacet sub cineribus.

世界は泣く――果てしない涙を流して。
太陽の光は砕け、夜へと沈む。
子どもたちは飢えの中で眠り、
希望は灰の下に横たわる。

Cur vivimus? Cur dolemus?
Si nihil manet, quid restat?
Mea est voluntas,
Mea est flamma.

なぜ私たちは生き、なぜ苦しむのか?
何も残らないなら、あとには何がある?
これは私の意志、
これは私の炎。

Ego sum malefica, regina ruinæ.
Veni ignis, dele poenam.
Accipiam crimen, absumam pacem.
Fiat finis… fiat ego.

私は魔女、崩壊を統べる女王。
炎よ来たれ、苦しみを消し去れ。
罪を引き受け、安らぎさえ焼き尽くそう。
終わりをもたらそう、この私が。

Clamores orbis surdantur vento,
Amor frangitur in manibus meis.
Non amplius flebo —
Sed ridens flammam parabo.

世界の叫びは風にかき消され、
愛はこの手の中で砕ける。
もう、私は泣かない。
微笑みながら炎を用意しよう。

Si mundus est carcer,
Tunc ego sum clavis.
Si dolor est lex,
Ego scribam finem.

世界が牢獄なら、
私はその鍵になろう。
苦しみがこの世の掟なら、
私が終わりを書き記そう。

Nulla redemptio,
Nulla salus.
Sed hoc scelus…
Liberabit eos.

贖いもなく、
救いもない。
それでもこの罪が、
彼らを解き放つだろう。

Ah… maledicta… sed vera….
ああ……呪われていても、偽りではない……。

【制作裏話】

世界の理不尽さに絶望した一人の少女が、魔女になるまでの経緯やその決意を描いた詞になっています。

京町家ふうのお店の2階でランチを食べながら、AIが出してくれたイントロに感動した瞬間は忘れられません。

このチャンネルで制作した曲の中でトップレベルに好きな作品になりました。

07.哀別の朝に(Aibetsu no asa ni)

Si tuum est finire mundum, manebo.
Manu in manu, usque ad tenebras novissimas.

世界を終わらせるのがあなたの役目なら、私はここに残ろう。
手に手を取って、最後の闇に至るまで。

Noli timere. Te non relinquam.
Vox mea erit lucerna in nocte.

恐れないで。あなたを置き去りにはしない。
私の声が、夜を照らす灯になる。

Videmus stellas iridis,
una… una in fine.

虹色の星々を見つめよう、
ともに……終わりの時にも、ともに。

Kimi ga yuku michi,
yaki horobosan,
ame no hi mo ga mo……

あなたの行く道を、
焼き尽くしてしまうような、
天の火があってほしい……。

Caelum cadet, ignes fluent,
sed oculi tui sunt domus mea.
Quidquid fiat, juravi: tecum sum.

空が崩れ、炎が流れようとも、
あなたの瞳こそ、私の帰る場所。
何が起きても、誓ったのだから――あなたとともにいると。

Silentium venit, sed cor meum cantat:
non es solus. Numquam eris.

静寂が訪れても、私の心は歌う。
あなたは独りではない。これからも、決して。

Flammae, venti, vel nox eterna —
nihil me avertet.
Si totus mundus cadat,
ego manebo tecum.

炎も、風も、永遠の夜さえも、
私をあなたから引き離せない。
たとえ世界のすべてが崩れ落ちても、
私はあなたとともに残る。

Ah… promissio… sine fine…
ああ……約束は……果てしなく……。

【制作裏話】

元ネタは『万葉集』の狭野茅上娘子の歌、
君が行く道の長手を繰り畳ね焼き滅ぼさむ天の火もがも
です。

 

好きですねぇ。この激しさ。

08.だからパンドラは旅に出た(Dakara Pandora wa tabi ni deta)

And so Pandora set out on a journey.
A box so fair, so wondrously adorned,
its emerald inlay shimmered with an unearthly light.
By a slip of curiosity, her hand unlatched it.
And from within flew howls of rage, cries of sorrow,
and all grief and pain scattered across the world.

だからパンドラは旅に出た。
美しく、見事な装飾を施された箱。
埋め込まれたエメラルドは、この世ならぬ光を放っていた。
ふと好奇心に駆られ、彼女はその留め金を外してしまった。
中から飛び出したのは、怒りの叫び、悲しみの声。
あらゆる嘆きと痛みが、世界中に散らばった。

“It was my own hand that spilled them,” she whispered.
“Then it shall be my own hand to gather them again.”
And so Pandora walked on.

「あれをこぼしたのは、この私の手」彼女は囁いた。
「それなら、もう一度集めるのも私でなくては」
そうしてパンドラは歩き続けた。

Hopes are fading, hearts are breaking,
still she moves through storm and dust.

希望は薄れ、心は砕けていく。
それでも彼女は、嵐と砂塵の中を進む。

In the shade of a market’s tree,
a lute player with sun-darkened skin spoke:
“Foolish one — why burden yourself so?
This world has always been steeped in sorrow.”

市場の木陰で、
日に焼けた肌のリュート弾きが言った。
「愚かな子よ。なぜ、そんなに背負い込む?
この世界は、昔から悲しみに浸されてきたというのに」

In a place where dust danced in dry air,
a mother wept, beating her fists upon the cracked earth,
her child stolen away.

乾いた空気に砂埃の舞う土地では、
ひび割れた大地を拳で打ちながら、母親が泣いていた。
その幼子を奪い去られた悲しみに。

She saw mourners before coffins,
and rulers warring for power,
taking first from those with the weakest hands.
Cities burned, waves swallowed shores,
and the earth itself cracked open.

棺の前で嘆く人々を、彼女は見た。
権力を求めて争う支配者たちが、
いちばん弱い人々から、真っ先に奪っていくのを見た。
街は燃え、波は岸辺を飲み込み、
大地そのものが裂けていった。

“What could it change,” she cried,
“if I gather sorrow in this world so broken?”
But still she walked.
For it was a promise — to one single friend.

「何が変わるというの?」彼女は叫んだ。
「こんなにも壊れた世界で、悲しみを拾い集めたところで」
それでも、彼女は歩き続けた。
たった一人の友と交わした、約束だったから。

“I believe in you,” she murmured.
“Surely, you are waiting for me still —
you, Elpis, the lone hope,
resting at the bottom of the box.”

「あなたを信じている」彼女は呟いた。
「きっと、今も私を待っていてくれる――
エルピス、たった一つ残された希望。
あの箱の底で、静かに休むあなたが」

Even in ruin, a light remains,
one fragile promise beneath the storm.

廃墟の中にも、光は残る。
嵐の下で守られる、一つの儚い約束。

【制作裏話】

大学1年生の春、一瞬だけ所属した「文学研究会」で「会誌用に何か書け」と言われて、初の短編小説を書きました。

タイトルは「だからパンドラは旅に出た」。
ギリシャ神話「パンドラの箱(あるいは甕)」の主人公・パンドラが、自分が散らかした災厄を収集しに旅に出るが、「こんなのキリがない」とぼやく。
しかし、箱の底に一つだけ残っていたエルピス(希望)と意思疎通できて友達になり、必ず帰ってくると約束してしまったものだから、渋々旅を続ける…というお話です。

結局、会誌の編集長でもあった研究会会長が原稿データの入ったUSBを持ったまま失踪し、その後自分も退会したので、この原稿がどうなったのかは謎のままです。

いつか復元してもいいかもと思いつつ、ふと思い出して曲にしてみました。
浮遊感のある旋律が気に入っています。

——

以上、【作業用BGM】喪失ノ唄ノ旅ーA Journey to Find the Lost Songの歌詞と対訳でした。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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